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「特定秘密保護法案に反対する学者の会」声明

特定秘密保護法案の衆議院強行採決に抗議し、ただちに廃案にすることを求めます


国会で審議中の特定秘密保護法案は、憲法の定める基本的人権と平和主義を脅かす立法であり、ただちに廃案とすべきです。

特定秘密保護法は、指定される「特定秘密」の範囲が政府の裁量で際限なく広がる危険性を残しており、指定された秘密情報を提供した者にも取得した者にも過度の重罰を科すことを規定しています。この法律が成立すれば、市民の知る権利は大幅に制限され、国会の国政調査権が制約され、取材・報道の自由、表現・出版の自由、学問の自由など、基本的人権が著しく侵害される危険があります。さらに秘密情報を取り扱う者に対する適性評価制度の導入は、プライバシーの侵害をひきおこしかねません。

民主政治は市民の厳粛な信託によるものであり、情報の開示は、民主的な意思決定の前提です。特定秘密保護法案は、この民主主義原則に反するものであり、市民の目と耳をふさぎ秘密に覆われた国、「秘密国家」への道を開くものと言わざるをえません。さまざまな政党や政治勢力、内外の報道機関、そして広く市民の間に批判が広がっているにもかかわらず、何が何でも特定秘密保護法を成立させようとする与党の政治姿勢は、思想の自由と報道の自由を奪って戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせます。

さらに、特定秘密保護法は国の統一的な文書管理原則に打撃を与えるおそれがあります。公文書管理の基本ルールを定めた公文書管理法が2009年に施行され、現在では行政機関における文書作成義務が明確にされ、行政文書ファイル管理簿への記載も義務づけられて、国が行った政策決定の是非を現在および将来の市民が検証できるようになりました。特定秘密保護法はこのような動きに逆行するものです。

いったい今なぜ特定秘密保護法を性急に立法する必要があるのか、安倍首相は説得力ある説明を行っていません。外交・安全保障等にかんして、短期的・限定的に一定の秘密が存在することを私たちも必ずしも否定しません。しかし、それは恣意的な運用を妨げる十分な担保や、しかるべき期間を経れば情報がすべて開示される制度を前提とした上のことです。行政府の行動に対して、議会や行政府から独立した第三者機関の監視体制が確立することも必要です。困難な時代であればこそ、報道の自由と思想表現の自由、学問研究の自由を守ることが必須であることを訴えたいと思います。そして私たちは学問と良識の名において、「秘密国家」・「軍事国家」への道を開く特定秘密保護法案に反対し、衆議院での強行採決に抗議するとともに、ただちに廃案にすることを求めます。

            2013年11月28日

            特定秘密保護法案に反対する学者の会
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by kenpou28 | 2013-11-29 13:06

「秘密法衆院通過 世紀の悪法を許すな 良識の府で廃案目指せ」(琉球新報)

秘密法衆院通過 世紀の悪法を許すな 良識の府で廃案目指せ
                       (琉球新報11月27日社説)

国民の目と耳をふさぎ、主権者が国政の重要な情報を得る道を閉ざす「世紀の悪法」が、成立への階段を一つ上った。その審議は「強権国家化」を暗示する、国民不在の醜悪な展開を見せた。
国家機密を漏らした公務員や市民らに厳罰を科す特定秘密保護法案は、自民、公明の与党とみんなの党が賛成し、衆議院を通過した。それに先立つ特別委員会は、数の力に頼った強行採決だった。
報道関係者だけでなく、「知る権利」に携わる研究者、市民団体など、分野を超えて反対する国民が日ごとに増している。だが、危機感は国会に反映されない。

1度きりの公聴会

これほど重要な法案に対する国民の意見を聞く公聴会が1回しか開かれていない。国民に背を向けた為政者の姿を際立たせる。
米軍基地の重圧にあえぐ沖縄で、基地運用の情報は、住民生活を守る不可欠な情報である。その大半が入手できなくなる恐れが強い法案であるだけに、沖縄公聴会は最優先で開かれるべきだが、それもなされないままだ。
広く国民から意見を聞く公聴会もほとんど開かず、国会での審議も尽くそうとしない。官僚による恣意(しい)的な秘密指定を許し、指定期間が半永久的になるなど、法案の問題点はきりがないが、みんなの党や維新の会との修正協議を経ても全く改まっていない。
安倍首相は秘密指定の在り方を検証する第三者機関を設けるべきだと初めて発言したが、その担保も何もない。なぜ、首相と与党はこれほど危険な法案の性急な成立に走るのか。全く理解不能であり、成立は断じて容認できない。
国民の「知る権利」など、民主主義国家にとって欠かせない憲法にのっとった権利が確実に侵害される。問題点を全て洗い出し、徹底的に審議を尽くすのが国会の責務である。
会期末に近い今国会での成立をにらみ、強引に衆院を通過させたことは罪深い。法案が送られる参議院は、良識の府の存在意義をかけて熟議を重ね、廃案にすべきである。
25日に福島市で開かれた衆院特別委の公聴会では、与党側が推薦した人を含め、7人全員が法案への懸念や反対を唱え、慎重審議を求めた。このままの成立を望む声は皆無だった。
沖縄出身で、原発の保守管理会社を営む名嘉幸照さんは、原発内部で法に反した作業が実施される場合を挙げ、「告発者がいることは大事だ。命に関わる原発の安全性について、国民は知る権利がある」と訴えた。

原発と基地情報の封印

名嘉氏発言の「原発」は「米軍基地」にそのまま置き換えられる。生命の安全に直結する情報さえ、関係省庁の恣意的な秘密指定に縛られた公務員らが萎縮して封印されるだろう。
特定秘密を漏らしたり、暴いたりした者には、これまでの最高刑の10倍となる懲役10年の厳罰が科せられる。成立の先には軍事に偏重した、戦前回帰の「秘密国家」が像を結ぶ。恐ろしいことだ。
法案への重大な懸念は、著名人の見方にも端的に表れている。
俳優の菅原文太さんは「先の戦争の片りんが影絵のように透けて見える」と危ぶんだ。不幸な戦争の時代が連想されるのだ。
「悪魔のような法案。何が秘密かを時の権力者が秘密のうちに決められる。ジャーナリストとしても、市民としても恐怖です」。音楽評論家の湯川れい子さんの危機感は多くの国民が共有できよう。
法案に対し、国連人権高等弁務官事務所の2人の特別報告者が声明を出し、「内部告発者やジャーナリストを脅かす」として、重大な懸念と透明性確保を要請した。
国際基準に照らしても、「知る権利」を基盤にした国民の自由を奪いかねない法案は異様だ。巨大与党の暴走に歯止めをかけねば、子々孫々の時代まで重大な禍根を残しかねないと銘記すべきだ。
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by kenpou28 | 2013-11-28 10:54

「秘密保護法案、衆院通過 ノーを突き付けて廃案に」(北海道新聞)

秘密保護法案、衆院通過 ノーを突き付けて廃案に
             (北海道新聞11月27日社説)

国民の「知る権利」を脅かす悪法を数の力で押し通すとは、政府・与党の横暴というほかない。
政府が指定した機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案がきのう衆院を通過し、参院に送られた。与党が採決を強行し、みんなの党が賛成、日本維新の会は棄権した。
法案はきょう成立する日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設法と一体で、安倍晋三首相が掲げる積極的平和主義に基づく安全保障政策を推し進める狙いがある。
首相は最終的に自衛隊の海外での武力行使に道を開くことを目指している。両法制定はその第一歩だ。
秘密保護法の危険は国民の身近な生活にも及ぶ。特定秘密と知らずにある情報を取得しようと、だれかと話し合っただけで処罰されかねないような怖さを法案は抱えている。
国の行方から市民の日常まで深刻な危険にさらす法案だ。何としても廃案に追い込まなければならない。
参院審議で問題点を徹底的に明らかにするとともに、国民が反対の声をより強く突き付ける必要がある。

 ■平和主義踏みにじる

首相は中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発を引き合いに「わが国を取り巻く情勢は厳しさを増している」と再三、強調している。
積極的平和主義は日本が従来より踏み込んで米国の軍事力を補完する役割を担うものだ。日米同盟強化で中国などに対抗する狙いもある。
国力低下で軍事費に多くを割けない米国にとっても首相の方針は好都合だが、日本と共有した軍事情報が漏れては困る。そこで日本側に求めたのが、NSC創設と秘密保護法制による情報漏れのない器づくりだ。
首相はその完成後、集団的自衛権行使を認める国家安全保障基本法を制定し、自衛隊の海外での武力行使を前提に日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を見直して日本の軍事的役割を強化する道筋を描く。
その意味で秘密保護法は憲法の平和主義にも反する。国民主権や基本的人権の尊重と合わせ、憲法の原則をことごとく踏みにじる極めて悪質な法案だ。中国などの脅威を口実に制定することは認められない。

 ■市民の活動も脅かす

安全保障に関わる分野では一定期間、表に出さない方がいい情報はあるだろう。しかし民主国家では、そんな情報もそもそも国民のものだ。
情報漏えい防止は現行法で十分にできる。仮に新法が必要だとしても米国との情報共有が狙いなら防衛分野だけで済むはずだ。だが法案は外交やスパイ防止、テロ防止分野も対象とし、取得にも罰則を科した。
情報を独占し、権限を強めたい中央官僚が新法制定に便乗して秘密の範囲を広げ、秘密への接近にも予防線を張った。その結果、法案は広く国民を危険にさらす中身になった。
一般国民は何が特定秘密で、だれが秘密を扱っているか分からない。だが法案は「特定秘密を保有する者の管理を害する行為」により秘密を取得すれば最高懲役10年を科す。
市民団体が自衛隊基地の監視活動をした場合、監視対象に特定秘密が入っていれば「管理を害した」として罪に問われかねない。
秘密の漏えいや取得をめぐり共謀、教唆、扇動すれば、実際に秘密が漏れなくても最高懲役5年となる。
例えば避難計画策定のため原発情報を得ようとだれかと話し合ったり、だれかに働きかけたり、大勢の前で呼びかけたりした場合、その情報が特定秘密なら入手していなくても罰せられる恐れがある。

 ■国民より国家を重視

問題の多い法案を象徴するように森雅子担当相の国会答弁は揺れた。
秘密指定が妥当か判断する第三者機関設置や報道機関への強制捜査をめぐる答弁は他の閣僚らと食い違い、「改善を法案成立後も尽くしたい」と成立後の見直しにも言及した。政府自ら欠陥を認めたに等しい。
行政が際限なく秘密を指定でき、国会や司法のチェックも効かない。国民は何が秘密か分からないまま処罰される。政府・与党はこんな法案をわずか2週間ほどの衆院審議で力ずくで通過させた。
国民の声を聴き丁寧に審議すると言っていたのはポーズだったのか。
国民よりも国家を重視する安倍政権の本質があらわになった。
国政調査権を侵害し、国権の最高機関である国会の地位を脅かす法案に唯々諾々と従う自民、公明両与党と、名ばかりの修正で与党にすり寄ったみんなの党や維新の会は「翼賛政党」と言われても仕方あるまい。
野党第1党の民主党は法案に反対する一方で与党と修正協議も行うなど中途半端で、野党をまとめることもできなかった。もっと国民目線に立って政府・与党に対抗すべきだ。
福島県での地方公聴会では与党の推薦を含む7人全員が法案に反対や慎重審議を求めた。異例なことだ。
法案の問題点が浸透するにつれ、反対集会も全国各地で開かれ、札幌弁護士会もきょう、緊急の街頭デモを行う。こうした国民の動きを与野党とも重く受け止めるべきだ。
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by kenpou28 | 2013-11-27 14:14

福島第1原発視察同行ルポ報告会アンケート(その1)

⚫記者の報告が聞きたかったので、よくわかりました。
⚫「福島に行かねば」という思いをさらに強くした。
⚫現場の話をいろいろ伺うことができ、想像以上に大変なことだと改めて感じた。原発再開は絶対阻止すべきですね。出来るだけ正確な情報が欲しいです。
⚫日々の労働と生活に埋もれ、原発、福島のことを忘れがちになっていました。現実を再認識しました。とても具体的なお話しでした。目をそらさず考え直さないといけないと思いました。
⚫映像が中心で良く理解できた。憲法を生かす会・ひょうごネットの結成と活動に期待します。
⚫木村さんの話はとてもリアルで、福島原発がどうなっているのかよくわかりました。
⚫木村記者のお話は、とくに福1の現場に入ることが認められてなかったというところが驚きでした。そこで、公開するようにと運動されて実現したのですね。やっぱり、情報公開です!木村さんのお話、よかったです。広めたい。


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by kenpou28 | 2013-11-25 14:39

「福島第1原発視察同行ルポ」報告会に100人

昨日(11月23日)午後、神戸市中央区のひょうご共済会館で、「福島第1原発視察同行ルポ」を書いた神戸新聞記者の木村信行さんを講師に招き、報告会が行われました。この報告会を主催したのは、憲法を生かす会・ひょうごネット準備会で、会場には県下各地から約100人が参加しました。
報告会では、神戸新聞記者・木村信行さんから約1時間の報告。その後、参加者による報告や発言、講師への質疑応答があり、最後に「原発推進、戦争準備の特定秘密保護法案に反対するアピール」が提案され、拍手で確認されました。
参加者の感想などは、改めて報告します。
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by kenpou28 | 2013-11-24 09:50

明日、福島第1原発視察同行ルポ報告会

<福島第1原発視察同行ルポ報告会>

今年5月、20キロ圏内の旧警戒区域から避難する地元住民らが福島第1原発に入り視察を行いました。急上昇する放射線量、事故収束作業に携わる若い作業員、約900本にのぼる汚染水貯蔵タンク…。この視察に同行した神戸新聞記者の木村信行さんの同行ルポが5月27日の新聞に掲載され、その後、事故の際の東電のずさん体制を糾弾し、8月にガンで亡くなった福島原発元作業員の証言も木村記者により記事にされました。

「廃炉が完了するまであと何十年、私たちは古里を追われるのか」と悔しさをにじませる視察した地元住民。汚染水漏れが続く事故現場、被ばく限度を超える作業員の線量、取り出すだけで10年かかると言われる核燃料取り出し…。同行ルポを書いた木村信行記者を講師に、福島第1原発視察同行ルポの報告会を開催します。

●とき/11月23日(土・祝)午後1時半~
●ところ/ひょうご共済会館5F(神戸市中央区、JR元町駅東口北へ15分、地下鉄県庁前北東へ10分)
●講師/木村信行さん(神戸新聞記者)
●参加カンパ/500円
●主催/憲法を生かす会・ひょうごネット(準備会)
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by kenpou28 | 2013-11-22 15:09

秘密保護法案反対の座り込み

11月19日~21日の3日間、神戸・三宮で特定秘密保護法案に反対して、座り込みと街頭宣伝が行われています。この行動を主催したのは、「ひょうご憲法集会実行委員会」(略称:憲法ひょうご)。週明けにも衆議院での採決が予定されており、週明けの25日にも午後3時~5時の2時間、三宮・マルイ前で街頭宣伝行動が行われます。
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by kenpou28 | 2013-11-21 10:16

「秘密法で戦争準備・原発推進」

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特定秘密保護法案が閣議決定され、現在国会で審議されています。
国会審議が進むにつれて、この法案の危険性がますます明らかになり、国民の間に急速に反対の世論が巻き起こっています。にもかかわらず、安倍政権は今国会でこの法案を成立させようとしています。私たちは、何としても、この危険な「秘密保護法案」を廃案に追い込まなければなりません。
さて、この度、創史社から「秘密法で戦争準備・原発推進」という本が緊急出版されましたので、本の内容等についてお知らせします。是非、多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。

『 秘密法で戦争準備・原発推進-市民が主権者である社会を否定する秘密保護法』
  海渡雄一(日弁連前事務総長、脱原発弁護団全国連絡会共同代表)著  
  四六判1400円(税別)

国にとっての秘密とは何でしょうか。それを明らかにされないまま法案が制定されようとしています。
戦争準備に備えて機密情報管理のため、そして「テロ対策」という名目で原発関連情報を隠し、市民の生命を脅かす狙いの法案の問題点をわかりやすく説明します。
取り返しのつかない民主政治の破壊に立ち向かうために緊急出版し、多くの人に訴えます。
【内容】
第1 真の対立軸は何か
第2 究極の基本的人権侵害としての福島原発事故
第3 原子力と軍事技術―原子力基本法改正と安全保障
第4 福島原発事故では何が隠されたのか 
第5 憲法改正の前哨戦・秘密保全法制との闘い
第6 秘密保全法制は戦争遂行のためのもの
第7 外交は秘密が当然か
第8 テロ対策とスパイの防止 警察情報も特定秘密に
第9 スノーデンが明らかにしたプリズム=秘密にされていたアメリカの世界盗聴システム
第10 憲法・平和主義と表現の自由の危機に抗して
第11 憲法の目的は何か、憲法は誰のものか
第12 立憲主義を破壊する自民党日本国憲法改正案の本質
第13 九六条先行改憲の危険性
第14 憲法と原発―私たちの闘いの当面の課題
【資料編】特定秘密保護法案の他、日弁連の会長声明、刑事法研究者の声明など。

【海渡雄一 かいど・ゆういち】
1981年弁護士登録、30年間にわたって、もんじゅ訴訟、六ヶ所村核燃料サイクル施設訴訟、浜岡原発訴訟、大間原発訴訟など原子力に関する訴訟多数を担当。2010年4月から12年5月まで日弁連事務総長。脱原発弁護団全国連絡会共同代表、脱原発法制定全国ネットワーク事務局長。著書に『原発訴訟』(岩波新書11年)、『監獄と人権2』(明石書店、04年)、『共謀罪とは何か』(保坂展人と共著、岩波ブックレット、06年)など。
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by kenpou28 | 2013-11-17 10:24

facebook「憲法を生かす会・ひょうごネット準備会」

「憲法を生かす会・ひょうごネット準備会」は、フェイスブックもやっています。

https://www.facebook.com/kenpouikasukai28
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by kenpou28 | 2013-11-16 20:41

日経新聞も秘密保護法案反対へ

「疑念消えぬ秘密保護法案に賛成できない」(日本経済新聞11月16日付社説)

特定秘密保護法案の審議が国会で続いている。政府・与党は並行して野党側との修正協議を急ぎ、今国会中に成立させる構えだ。

安全保障にかかわる機密の漏洩を防ぐ枠組みが必要なことは理解できる。だがこの法案は依然として、国民の知る権利を損ないかねない問題を抱えたままだ。

これまでの国会審議では、疑念がむしろ深まった印象さえある。このままの形で法案を成立させることには賛成できない。徹底した見直しが必要である。

法案では防衛、外交、スパイ活動、テロの4分野で、特に秘匿すべきものについて各省の大臣が特定秘密に指定する。公務員がこれを外部に漏らした場合は、最長で懲役10年の刑罰を科す。

法案が定めた秘密に指定できる範囲は、曖昧で広すぎる。政権や省庁が不都合な情報を隠すなど恣意的に利用するおそれがある。何が秘密なのか分からないまま、秘密が際限なく広がってしまう。

指定できる対象は徹底して絞り込み、明確にしなければならない。そのうえで指定の適否を判断する第三者機関が必要となる。

指定の期間は5年だが、何度でも延長できるので、永遠に秘密とされる可能性もある。最後は指定を解いて開示し、後世に検証できる仕組みが欠かせない。どうしても開示できない内容のものは、「護衛艦の性能」「自衛隊の暗号」などと理由を説明すべきだ。

機密の漏洩でどのような場合が罪になるのかや、刑の重さについても、さらに見直しが必要ではないか。いまのままでは公務員が必要以上に萎縮してしまう。漏洩させた側にも広く刑罰を科す余地が残っているため、報道の自由を侵害し、意見が言いにくい息苦しい社会にしてしまう懸念がある。

国会の審議では防衛相も務めた与党議員が、日々新聞が報じている首相の動静も秘密にあたるのではないかという指摘をした。懸念を裏付けるような発言である。

法案を担当する森雅子少子化相は、成立後に秘密指定のあり方などを見直す可能性に触れた。不断の見直しといえば聞こえはいいが、懸念を解消しないまま成立を目指す姿勢は問題ではないか。

法案が成立すると、国政調査権や国会議員の活動を制約するおそれもある。三権分立の根幹にかかわるこうした議論も深まっていない。このまま拙速に成立を急げば、将来に禍根を残すだろう。
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by kenpou28 | 2013-11-16 20:14